夢を見ていたような読後感『楽園のカンヴァス』

投稿者: | 2012年7月15日

『楽園のカンヴァス』原田マハ

原田マハさんは、『旅屋おかえり』を初めて読んだばかりだったのですが、どうしても読まずにはいられない気持ちになって、直木賞候補となっているこの『楽園のカンヴァス』を買いに行きました。『旅屋おかえり』を読み終えたその日から、この『楽園のカンヴァス』を読み始めたのです。

僕の場合、買った本をすぐに読み始めること自体が、とても珍しいことです。いつも沢山の積読本を抱えているので、とりあえず出会った本を買っておいて、後から読むことが多いです。でも、原田マハさんのこの2冊の本だけは違いました。何だか読まずにいられない気持ちだったのです。本というのはそういう読み方が一番良いのかも知れないなと思います。

そういうわけで読み始めたのですが、結構時間がかかりました。こういう勢いで読む本は、多分僕のペースだと2日間かければ読み終えてしまいます。思ったほどのペースで読めなかったのは、この本が読みにくいからではなく、じっくり読みたかったからでしょうし、中身の濃い物語だったせいだと思います。それだけ読み応えのある本だったわけです。

この物語はたった7日間の夢物語のような印象です。主人公と一緒に絵の中の世界に引き込まれたかのような、そんな読後感が残りました。美術に関する知識やセンスには、全く自信がありません。美術館にも行ったことはあるのですが、それほど多くの美術館を訪れた経験もありません。そんな調子だから、この本を読む前には退屈で仕方が無かったらどうしよう、と思っていました。そういう心配はあっと言う間に吹き飛んでしまいました。

僕は「この作家の本は全部読もう」と思ったら、ノートに全作品を書き出してリストを作ります。そして、読み終えた本を1冊ずつチェックして行きます。そういう作家は何人かいるのですが、原田マハさんもその一人に加えることにしました。
( 77冊目/2012年)


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