『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉

投稿者: | 2013年8月2日

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「面白かった」と言うより、「良かった」と言った方が合っていると思います。タイトルとか、装丁の雰囲気とか、窪美澄さんのコメントだとか、特に確信は無かったものの、とても気になる本でした。読んで良かったと思いました。

徹子と義父を中心として、その家族とか、友達だとか、それぞれの視点で書かれた短編8編で構成されています。それぞれの短編は繋がっています。『昨夜のカレー、明日のパン』この本全体に漂う空気が、たまらなく良いのです。川上弘美さんの『センセイの鞄』でも、同じことを思いましたが、似ているようで違っている空気感です。

どうしようもなく切ない思い出を抱えつつ、自分自身の人生をゆるく生きている、それがとても温かい空気感に繋がっている気がします。ちょっと凹んでいる気持ちが、この小説を読むことによって、ちょっと前向きになるんじゃないかと思えるくらい、とても温かい気持ちになるのです。

懐かしい感じもします。目まぐるしく変化して行く現代ではなく、一昔前のどこかのんびりした空気が漂っているのです。設定は一昔前でも何でもないのですが、僕たちが何となく抱いている一昔前の良さみたいなものを感じるのです。
(77冊目/2013年)


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