『肉小説集』坂木司

投稿者: | 2018年3月15日

坂木司さんの本で、『鶏小説集』という本が目に付いて、そう言えば『肉小説集 (角川文庫)』と言う本もあったなと思い出して、この文庫本を買って来た。

結構色々出ているグルメ小説みたいな本かなと思って、一番目の短編「武闘派の爪先」を読んだら、そうではなかった。グルメ小説と言うのは、だいたいは美味いものが題材にされていて、主人公がそれを味わいながら食べるものと思っていた。この小説はそうではない。最初の短編は、嫌いな豚足のことが書かれていた。何故豚足が嫌いなのか。先輩から勧められて、嫌々食べている主人公が居る。

一番面白かったのは、「アメリカ人の王様」だ。婚約者の父親と一緒にトンカツ屋のカウンターで、トンカツを待っている場面から、小説は始まる。主人公は、トンカツ屋が嫌いなのだ。揚げ物ばかりで、選択肢は「ヒレ」か「ロース」しか無いことが嫌いらしい。主人公は上品を好むデザイナーである。上品を好む主人公としては、義父の食はむしろ下品なジャンルに入る。婚約は壊れてしまうのかと思いながら読んだが、むしろハッピーエンドだったりするから、この短編はとても良かった。

この短編集は、ことごとく豚肉が登場し、ことごとく主人公は男性で、むしろ出て来る食べ物は嫌いなのだ。一般的なグルメ小説と一線を画しているところが、またこの小説集の面白いところだと思う。豚肉がこれなら、鶏肉はどうなんだろうと、『鶏小説集』が文庫本になった頃に、読んでみようと思う。
(19冊目/2018年)


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